最高裁判所第二小法廷 昭和24年(新れ)492号 決定 1950年5月19日
主文
本件各上告を棄却する。
理由
弁護人佐久間渡の上告趣意について。
上告は高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対して刑訴法第四〇五條所定の事由があるときに限り、これが申立をすることができるものであるが、所論第一点は原判決において判断されなかった点について宇都宮地方裁判所のした第一審判決に憲法違反の瑕疵ありと攻撃するものであって、明かに上告適法の要件を備えて居らず、所論第二点は明らかに刑訴法第四〇五條所定の上告理由に該当しない。
そうして、本件は同法第四一一條により職権を以って原判決を破棄すべき事由ある場合に該当しないから同法第四一四條、第三八六條第一項第三号を適用して主文のとおり決定する。
右は裁判官全員の一致した意見である。
(裁判長裁判官 塚崎直義 裁判官 霜山精一 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)